時を束ねて リボンをかけて

2022-02-03 (Thu) 23:16

「九十八歳。戦いやまず 日は暮れず」

「九十八歳。戦いやまず 日は暮れず」

佐藤愛子 著

2021年 8月11日 初版
小学館 発行

図書館から借りた本、読了。

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2017年に年間ベストセラー総合第一位になった「九十歳。何がめでたい」の続編のようなもの。

読みながら爆笑したところが多くて、この年齢でもこれだけのユーモアのセンスがあるのは、たいしたものだと思う。

娘の、信頼しているタロット占いの名手に愛子さんの近況を相談して占ってもらうと、「書くのをやめたらこの人は死にます」と言われたそうだ。
また医者にも同じことを言われた。
で、書き続けるのかと思うと、この本で「ここに筆を措(お)きます。みなさん、さようなら。ご機嫌よう。ご挨拶して罷り去ります。」で終わっている本だった。

この人の理想の老後のありようは、「前向き」ではなく、小春日和の縁側で猫の蚤を取りなっがら、コックリコックリ居眠りしふと醒めてはまた猫をつかまえて蚤を取り、またコックリコックリ・・・というような日を送りつつ死ぬ時が来るのを待つともなしに待っている。
この待つともなしに待っている、という境地が理想である。
と書いている。

この本の「前向き横向き正面向き」の章は、私はすごく共感できて、それだけでもこの本のを読んでよかった。

呆けないように寝たきりにならないように長い老後を前向きに送るためのあれこれの指南の言葉、あるいは方法は巷にあふれているけれど、私のように、もともといいかげんでどんなに頑張っても人生はなるようにしかならないと考えている人間もいる。
だから私はダメなのだと自分で思わないのが、私のノー天気なところなのだろう。
ダメであろうが、バカと思われようが、それが今の自分であると開き直って生きていくことも、また私の人生だから。

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Last Modified : 2022-02-03
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