時を束ねて リボンをかけて

2022-04-20 (Wed) 23:45

「牧師、閉鎖病棟に入る。」

「牧師、閉鎖病棟に入る。」

沼田和也 著。

2021年 6月10日 実業之日本社 発行


図書館から借りた本 読了。

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私の友達がプロテスタントなので、牧師という言葉にひかれて手に取った。
友達にこの本のことを話したら、知らなかった。

牧師さんが閉鎖病棟に入るというだけで、十分興味をひく書名ではあるが、これは牧師という職業よりも一人の人間の再生の記録として、読んだ方がいいのかもしれない。

牧師といえども一人の人間だから。

この本の中ので、思わずう・・・んとなったところがある。

それは著者がSNS依存に陥ったところ。
伝道のために始めたTwitterが、やがて自分語りばかりを呟くようになり、Twitterの中だけでは、あなたたちが思っているより、自分はずっとすごいんだぞと一生懸命虚勢を張るようになる。
自分のツイートに「いいね」が付きリツイートされ、フォロワーが増えるごとにのめりこんでいく。
ある呟きが何百、何千とリツイートされたことがあり、自分が大勢の人から注目されている(と感じる)ことの快感。
フォロー解除する人がいたり、ブロックされたり批判的なリプライがついたりすれば、落ち込み動揺し、恐慌状態。
仕事も手に付かないほど、Twitterを開き続ける。
まさにSNS依存状態で、ここまでのめり込んでしまう自分に対しての文章の書き方は正直で上手だ。
そして、その時の寂しさもきちんと伝わる。

この著者は気がつくべきだった。
人間は気まぐれだから、フォローしてもフォロー解除されても、それはその人の勝手なのだと。
自分をよく見せる必要もないし、たくさんのフォロワーがいることよりも、自分を理解してくれようとする人が数人でもいれば十分ありがたいことなのだと。



この人の恵まれていたところは、主治医だ。
精神科に限らず、病気になれば巡りあう主治医の大切さを思い知った。



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Last Modified : 2022-04-20
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