時を束ねて リボンをかけて

2022-09-10 (Sat) 23:57

思い出さない方がいい思い出もある。

7日の「家ついていってイイですか」を、録画していたので今日観た。

2匹の猫と暮らす×アリ子供なしの69歳の男性。


30年間母親と暮らしていたが、97歳で母親は老衰で他界。
92歳くらいの時から呆け症状が出てきて、その時に初代の子猫が家の中に入ってきた。
その猫がそばにいるとお母さんは呆けないのだそうで、それに感動したと言っていた。
それから動物が好きになったと。
「今は飼うというより飼わせてもらっているというのが実感」という。
その気持ちはホントよくわかる。

それから5年5が月でお母さんが亡くなって、すぐに、その初代の猫は家を出ていった。
「役目が終わったと思って去ったのかな」と言っていた。
ご飯を食べてから、自分で戸を開けて出ていった。
さんざん探して、6年過ぎた今も探していて・・・観ていて胸っがいっぱいになった。


ところで、姉は自宅で亡くなった。
朝起きたときに亡くなっていた。

救急車来たり検視が行われたりした後、私たちが到着する前、布団に寝かされた姉のそばに、猫のミィがしばらく座っていたそうだ。
そしてそのまま外に出ていった。
義兄が知っているのはそこまで。


正直、姉のお葬式はもめにもめた。
義兄の家は会社を経営していたが、舅、舅の3番目の愛人だった姑、そして義兄の弟がいる家庭に嫁いだのだ。
会社が倒産して、姉と義兄は子供たちを連れて家を出た。
それからわずか1年で姉は亡くなった。
義兄は実家で葬式をしたいと願い出たが、家を出た姉の葬式はさせないと言われ、私の両親は今のところで葬式をあげたほうがいいと最初から諭していたのに、義兄は頭を下げて実家での葬式が許された。
まだ葬祭場などなかった時代だ。
どこの家でも家で葬儀を行う時代。
家族葬とか小さなお葬式とかが、あの時代にあったのなら、誰も傷つかずに済んだのに。

義兄が運転する車の後部座席に、私は姉の遺体を抱いて実家に運んだ。
義兄も泣き、私も泣きながらの道のりだった。
倒産したとはいえ、姉は慕われていたから、かなり盛大な葬式になった。
しかし、そこからいろいろもめにもめたのだ。
私の両親も兄弟もやりきれなさしか残らない、心に傷だけしか残さない義兄の実家とのかかわりだった。
そういうことだったから、実はミィのことに心をくだく余裕など誰もなかった。

私はその頃東京に住んでいたが、限りある時間を使ってミィを探したが見つけることができなかった。
姉の子供たちでも見つけ出すことができなかった。

「家ついていってイイですか」を観て、ミィのいなくなったときのことを思い出したが、大昔のことなのに、昨日のことのようによみがえってきて、胸が苦しくなった。

    

     IMG_4418.jpg

        悲しみを思い出すたびかたわらに 猫が寄り添う一人の暮らし
     (かなしみを おもいだすたび かたわらに ねこがよりそう ひとりのくらし)

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Last Modified : 2022-09-11
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