時を束ねて　リボンをかけて

私の後に借りる人が待っている人がいる場合、返却期間が来なくてもさっさと返したほうがいいと思い、今日は図書館が休みだが、返却ボックスに入れてきた。

本当の目的は、その図書館の近くに、小さな地元経営のスーパーがある。
そこで鯛の刺身のサクを買うためだ。

私が引っ越してきた時に、近所の一人暮らしをしていた男性に、そのスーパーの存在を教えてもらった。
私がいつも行くスーパーは他県にもある大型スーパーだけれど、その地元経営のスーパーのほうがはるかに安いからと親切に教えてくれた。
遠いから図書館に行くときくらいしか利用しないけれど、品数は少ないが確かに安い。
大型店にない店員さんがフレンドリーである。
生鮮食品のお持ち帰り用の氷は、製氷機などはないからトロ箱に入っている。


そうそう…そのスーパーを教えてくれた男性は、その２年後だったか、お正月に亡くなっていた。
その後、その家は売りに出され年配の女性が一人引っ越してきた。
ハチワレ猫の飼い主である。


大型スーパーでは頼めないが、前に行ったときに、刺身は店頭に並んでいたが、サクがなくてお店の人に話して買うことができた。
2回目は、その店に電話をして、店頭にあるかを聞いたら、あるというのでわざわざ行った。


今日は店頭に並んでなかったので、お店の人が出入りする鮮魚売り場のそばで、誰か出てくるのを待った。
ちょうど出てきた人がいて、鯛のサクが欲しいことを言うと、ちょっと待ってねと言われ、すぐに顔を出して、今から捌くから～と言われて、出来上がりを待った。
こういうところが、地元密着型の小さなスーパーならではである。

出来上がって渡されて、今までで一番大きくて値段もいい。




だけどこの鯛はチビのためである。
小分けにして冷凍しておく。


前はスプーンでつぶしていたが、小さなすり鉢があることを思い出した。
小鳥のすり餌を作るときに使うような小さなすり鉢でほんのひと切れをすりつぶす。




少ししか食べないのだが、食べるときは食べるので、一応用意はしておかなければならない。




今チビの食欲が落ちているし、暑いせいか年齢のせいか、夏を超えてくれなければならないから、チビに関しては贅沢だと思っても、食べてくれるものなら値段のことは考えていられない。
最後の猫だもの。
その代わり私が粗食でいいのだから。


猫部屋で、ボ～としていたから生きているかを確認するため声をかけた。

　　　　　


きりりと私を見た。
まだ大丈夫だ。

　　　　　

　　　　　　卵かけご飯を終えて碗おけば　盗み見ながら猫は舐めてる
　　　　　（たまごかけごはんをおえてわんおけば　ぬすみみながらねこはなめてる）


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