時を束ねて リボンをかけて

2018-11-07 (Wed) 23:32

白菜1個に頭を痛める。

午後2時ころ、
「いる?いるの?」という女性の声がした。

そういう話しかけをする知り合いはいないので、私の家ではないと思っていた。

しかし何度も聞こえるので、1階に降りていくと、なんと隣の奥さまが庭にいる。
仰天。慌てた。
今、外に出ますと言って、玄関から庭に行くと、庭の隅にビニール袋の入れられた白菜と柿が置かれていた。

そういえば、午前中誰かが隣に来ていたことには気がついていた。
玄関先で何か会話していたから。
農家の人だそうだが、、あまりにも多いと食べきれないということで、持ってきてくれた。

びっくりしたのはそれがご主人ではなくて奥さんだったからだ。
杖をついて足元がおぼつかない歩き方をしている。

今日は風が強いし転ばれたら困る。
庭からではなく、玄関のチャイムを鳴らしてほしかった。
なぜなら、我が家の庭は道路から簡単に入ってくることができる。
チェーンをすべてかけていればいいのだろうが、災害が起きた時にすぐに車を出せるように、チェーンは車の置いてあるところにしかかけていない。
庭に簡単に入ってこれるから、夜中の泥棒よけに、結構複雑に石のブロックを置いてあるのだ。
知らない人ではすぐコケるように。

だから、私はあわてたのだ。
おまけにサンダルである。
私でさえ庭に出る時は必ず長靴だから。
道路も舗装されていないから、ゴミ投げに行くときも長靴。
私にとって長靴が安全靴。
だから杖をついて足元もおぼつかないないのにサンダルには参った。

この奥さんは引越してきたときは、今でも覚えているが山吹色のセーターを着ていた。
出かける時のコートも素敵なものを着ていた。
つまりとてもおしゃれなおばあさんだった。
たった2年前だ。

目の前にいる人が同じ人とは思えないくらい老けてたが、90半ばになるのだから、年相応というところだけれど。
そのくらい、この奥さんとは顔を合わせてなかった。

それでも、言われた言葉がいい。
「家の中でしか歩かないから、こういうかっこうで来てしまった」と。
まあ、普段着だったけれど、この年でそういうかっこうを気にする言葉が出るところがすごい。
いつもおしゃれだった人は、年老いておしゃれでなくなった自分を他人に見せることに抵抗があるのかもしれない。
見せられた私は何とも思わないのだけれど。
私なんて家の中にいる時はとてもひどい姿だから。
勤めていた時はよく友人たちに言われたものだ。
家の中の姿と勤め先の姿との落差が大きすぎると。(笑)

白菜1個と柿2個。
庭の隅に置いてあるということは、これを持つのもやっとだったということのようだ。
私はオロオロしながら、倒れないか転ばないかと後ろから隣の玄関先までついて行った。


正直、白菜1個を買ったことがない一人暮らしの私にとって、内心うわ~多すぎると思って頭を痛めた。

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Last Modified : 2018-11-07
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