時を束ねて リボンをかけて

2019-06-04 (Tue) 00:41

NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」

NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」

録画していたから今日観た。

多系統萎縮症という難病を患っていた女性が安楽死を選んだドキュメンタリー。
進行すると体の機能が奪われ、命を伸ばすためには人工呼吸器や胃ろうが必要となる。
原因も治療方法もよくわかっていない難病。
私が私であるうちに安楽死をほどこしてくださいと、海外からの安楽死希望者を受け入れているスイスの団体に登録する。
患者の死を積極的に受け入れる「安楽死」は日本では認められていない。
この人が願ったように、日本でも安楽死を考えることが大事だと思えるドキュメンタリーだった。

死の時期が今ではないと思う気持ちと、だからと言ってこれ以上体力がなくなれば、スイスに行くことが難しくなるということで緊急に安楽死をさせてくださいとメールを送り、スイス行きになる。
安楽死に反対する妹さんの「人に迷惑をかけて生きていいのだという気持ちになってほしかった」という言葉も重い。

安楽死の要件がいろいろあるのだが、それが認められる。
2日間の考える時間を与えられても、彼女の意思は変わらなかった。

警察に届け出るためにビデオ撮影をされる。
この人は英語が話せる。
安楽死の手順を英語で説明されて理解できるのだ。

致死量の薬の入った点滴が流れるスイッチは本人が開く。
付添っていたお姉さんたちと会話を交わしながら、最後の言葉が「すごく幸せだった」だった。
そのシーンも流れたが、すーと亡くなるという感じで、えっ!と思えるほどの早さだった。
日本で安楽死が認められていないために遺体は持ち帰らず遺灰はスイスの川に流された。

日本人の登録も急激に増えていると、この団体の代表の医師は言っていたが、安楽死を望んでもスイスまで行ける人はそれほど多くはないだろう。
体力のこともあるが、費用のこともある。

だからこそ日本でもこの問題がもっと広がるべきだと思う。

この番組の優れたところは、同じ病気で延命処置を選択をした人も取材していることだ。
体の機能を失っても人工呼吸器を付けながら、懸命に生きている人。
かすかに残っている機能の瞼を動かして意思の疎通を図る。
それはそれで、ずっしりと心に響いた。

誰がどんな選択をしても、それこそそれを尊重しなければならない。

かなり優れたドキュメンタリー番組だった。、


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Last Modified : 2019-06-04
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