Amazonプライムビデオで「ぼけますから、よろしくお願いします」を観た。
ドキュメンタリー制作の仕事をしている信友直子さんが撮影・監督とナレーションを担当している。
アルツハイマー型認知症を患った90近い母親と耳が遠くなった90過ぎた父親のご両親の映像記録。
娘である直子さんは東京在住で、ご両親は広島県呉市。
同居はしていない。
2018年公開。
この映画は、私のように両親の介護が終わったものと、現在、親の介護をしている人、これから介護される側の人、そこに認知症があるかないかとか、それぞれの家庭の事情、立場など、それによって観かたは変わるかもしれない。
手放しで称賛できるかというと、映像作家という職業柄とはいえ、内容的にはここまで身内をよくさらけ出したと思うが、なかなか冷静に見ればこのいたわりあって暮らすご両親に、もっと早くて手を貸す方法もあったのではないかと介護経験者としては思う。
例えば、2層式洗濯機。
その通りに使えばいいのだろうが、一度脱水したものを取り出してお風呂場でタライですすぐ。
手で絞ってからまた脱水機に入れる。
そういうすすぎ方を3回繰り返す。
お母さんができなくなって、お父さんがしていたが、すすぎに3時間もかかったなんて会話が出てくれば、 年老いた人にこれは酷である。
お母さんに認知症の診断が下りる前に、全自動の洗濯機にしてほしかった。
両親がどういう暮らし方をしているか‥離れて暮らしている子供は案外知らないものである。
離れていれば日々の暮らしに追われて、老いた両親を思いやる気持ちはあっても、それを考えるのはまだまだ先だと思いたいものだから。
私の場合は、実家の近くに住んでいたから、親の様子はよくわかった。
(父が亡くなってから母と同居した)
このご夫婦のように、私の両親も仲が良かった。
いたわりあって、暮らしていたと思う。
実家にはエアコンがなかった。
古い扇風機が1台あるだけだった。
それすらつけてないときがあった。
エアコンを取り付けるように言っても、母は必要ないという。
・・・ということで、私が実力行使。
私が電気店を連れて行き、設置した。
母は余計なことをして‥という感じだったが、母さんのためにつけるんじゃなくて、父さんのためにつけるのだと言って、実行。
母親が便秘だったから、お尻をお湯で洗うなんて・・といくら進めても取り付けないから、ウオシュレットも実力行使。
エアコンは母は使わなかったが、ウオシュレットはえらく気に入ってくれた。
今はこんなに貧乏だけれど、あの頃の私は、気前が良かった。(笑)
この映画で、お母さんが「死んじゃる」と叫ぶ場面がある。
全編方言だから「死んでやる」だ。
包丁、包丁と泣きながらいうシーン。
そこで、旦那さんと言い争いになる。
「みんなよくしてくれるじゃないか、感謝して暮らせ。気位が高い」とお母さんに言う場面は、夫の複雑な思いがにじむ。
そしてその時、「映さんといて!私ばかり映さないで~」と、カメラを回している娘に怒鳴る言葉の悲しさ。
わかってもらえない自分の気持ちのいら立ち、病気からとはいえ、心の持って行き場がない苦しさ。
そういう自分に無言でカメラを向けている娘。
この時のお母さんの気持ちを考えると、私は観ていてかなり辛かった。
夫が作ってくれたうどんをすする二人の場面で映画は終わっている。
この後のお二人の様子は、ネットで検索をすればわかる。
ところで昨日のミケは、私がベットに入ると急におとなしくなって私の顔のそばで眠ってくれた。
顔のそばで眠るということは飼い主を信頼している証拠なのだそうだが、ミケもボケてきているから、予測ができなくて当たりまえだ。
あんがい、母ちゃん、いつまで起きてるの?さっさと寝ようよ~という甘えだったのかもしれない。

今日のミケは普通に戻っている。

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ドキュメンタリー制作の仕事をしている信友直子さんが撮影・監督とナレーションを担当している。
アルツハイマー型認知症を患った90近い母親と耳が遠くなった90過ぎた父親のご両親の映像記録。
娘である直子さんは東京在住で、ご両親は広島県呉市。
同居はしていない。
2018年公開。
この映画は、私のように両親の介護が終わったものと、現在、親の介護をしている人、これから介護される側の人、そこに認知症があるかないかとか、それぞれの家庭の事情、立場など、それによって観かたは変わるかもしれない。
手放しで称賛できるかというと、映像作家という職業柄とはいえ、内容的にはここまで身内をよくさらけ出したと思うが、なかなか冷静に見ればこのいたわりあって暮らすご両親に、もっと早くて手を貸す方法もあったのではないかと介護経験者としては思う。
例えば、2層式洗濯機。
その通りに使えばいいのだろうが、一度脱水したものを取り出してお風呂場でタライですすぐ。
手で絞ってからまた脱水機に入れる。
そういうすすぎ方を3回繰り返す。
お母さんができなくなって、お父さんがしていたが、すすぎに3時間もかかったなんて会話が出てくれば、 年老いた人にこれは酷である。
お母さんに認知症の診断が下りる前に、全自動の洗濯機にしてほしかった。
両親がどういう暮らし方をしているか‥離れて暮らしている子供は案外知らないものである。
離れていれば日々の暮らしに追われて、老いた両親を思いやる気持ちはあっても、それを考えるのはまだまだ先だと思いたいものだから。
私の場合は、実家の近くに住んでいたから、親の様子はよくわかった。
(父が亡くなってから母と同居した)
このご夫婦のように、私の両親も仲が良かった。
いたわりあって、暮らしていたと思う。
実家にはエアコンがなかった。
古い扇風機が1台あるだけだった。
それすらつけてないときがあった。
エアコンを取り付けるように言っても、母は必要ないという。
・・・ということで、私が実力行使。
私が電気店を連れて行き、設置した。
母は余計なことをして‥という感じだったが、母さんのためにつけるんじゃなくて、父さんのためにつけるのだと言って、実行。
母親が便秘だったから、お尻をお湯で洗うなんて・・といくら進めても取り付けないから、ウオシュレットも実力行使。
エアコンは母は使わなかったが、ウオシュレットはえらく気に入ってくれた。
今はこんなに貧乏だけれど、あの頃の私は、気前が良かった。(笑)
この映画で、お母さんが「死んじゃる」と叫ぶ場面がある。
全編方言だから「死んでやる」だ。
包丁、包丁と泣きながらいうシーン。
そこで、旦那さんと言い争いになる。
「みんなよくしてくれるじゃないか、感謝して暮らせ。気位が高い」とお母さんに言う場面は、夫の複雑な思いがにじむ。
そしてその時、「映さんといて!私ばかり映さないで~」と、カメラを回している娘に怒鳴る言葉の悲しさ。
わかってもらえない自分の気持ちのいら立ち、病気からとはいえ、心の持って行き場がない苦しさ。
そういう自分に無言でカメラを向けている娘。
この時のお母さんの気持ちを考えると、私は観ていてかなり辛かった。
夫が作ってくれたうどんをすする二人の場面で映画は終わっている。
この後のお二人の様子は、ネットで検索をすればわかる。
ところで昨日のミケは、私がベットに入ると急におとなしくなって私の顔のそばで眠ってくれた。
顔のそばで眠るということは飼い主を信頼している証拠なのだそうだが、ミケもボケてきているから、予測ができなくて当たりまえだ。
あんがい、母ちゃん、いつまで起きてるの?さっさと寝ようよ~という甘えだったのかもしれない。

今日のミケは普通に戻っている。

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Last Modified : 2020-03-12