今までの人生で人に褒められるということがなかったような気がする。
まあ・・褒められることもしてないのだが。
そんな私のちょっと褒められた話を。
いつもながらの長文です。(-_-;)
あれはいつだったのだろう?
コロナ騒動が起きる前はガス会社の担当者のお兄ちゃんには、仕事の帰りなどに、ひょいと訪れてくれることがあった。
コーヒーを飲みながら、雑談をする。
1月の末ごろだっただろうか?
彼が昨年父親を亡くした話をした。
72歳だったと。
4年前に見つかった時はすでに末期の食道がんだったそうだ。
亡くなる前の半年間、自宅で過ごすか病院で過ごすかという判断は、父親が望んだので自宅でということになった。
いよいよ最後というときになって、母親、姉、彼と一人ずつ個別に父親と話すことになった。
母親とお姉さんとは長く話していたそうだが、彼の番になった時に、お父さんは「お前には何もいうことはない。お母さんとお姉さんを助けてやってくれ」と言ったそうだ。
そして、お父さんが亡くなってから2か月後、母親の母、つまり彼にとっての祖母が、ご飯を食べている時にすーとそのまま亡くなったそうだ。
92才だった。
父親と祖母はすごく仲が良かったから、お父さんが呼んだんだねと周りは言っていたと。
短い期間に夫と実母を亡くした母親が一人になってしまった。
だから、自分が会社を辞めて、実家に帰ってこようか?と言ったそうだ。
お母さんは、50歳の時に自分のやりたいことを見つけて、その勉強をして今では人に教えられるまでになった。
だから、生徒さんもいるし、近くに彼の姉一家もいるから、寂しくないからと帰ってこなくていいと言ったそうだ。
そういう話を私は、相槌だけうちながら黙って聞いていた。
ぜんぶ聞いてから私は言った。
「君は素晴らしいご両親に育てられたね。
お父さんが君に何も言うことがないといいながら、お母さんとお姉さんのことを託したんだよ。
それがお父さんの息子に言いたかった言葉の全てで最大のものだよ。
お母さんも素敵な人だわ。
だいたい、人は夢を持っても、その夢が叶う人は少ない。
その夢を実現させたのだから、素晴らしいよ。
これが寂しいから帰ってきて~と、泣いて息子にすがり付くような母親でも困ってしまうだろうよ。
そうではなくて、ちゃんと自立している。
素敵なご夫婦だよ。
そういう素敵なご両親に育てられたことを感謝しなさいよ。
おばあさんは、寿命だね。
だいたい、ご飯を食べている時にすーと心臓が止まるなんて、まさにピンピンコロリ。
誰もが望む亡くなり方だよ。
理想の形。
そして、それは、お父さんが呼んだのではなくて、お父さんが見守ったのだね。
これから、歩けなくなったり認知症になったり、年を取ることにつきもののことを省いて、すーと亡くなるなんて、私からすれば羨ましくってしょうがない。
仲が良かった娘婿の死はショックだったとしても、誰にも迷惑かけず天寿を全うしたんだと私は思うけどね。
おばあさんまで素敵な人だねえ」
そういうことを私が言って、彼も口を挟まず黙って聞いていた。
そして、彼が言った。
「ソフィアの母さんは聞き上手ですね・・・」
「ええ!!そんなことないよ!
だって私、人の話を無理やり聞き出そうとしない人だよ。」
「いや、だからですよ。
自分は両親のことを誰にも話したことないですよ。
会社の人にもお客さんにも、だから、ソフィアの母さんに話しているので、ああ・・聞き上手なんだなと思ったのです。」
そう言われて・・・ふ・・・ん。
まともにそう言われたことがないから、ちょっと驚いてしまった。
意識したこともないし。
だから、私は言った。
「それってさあ・・・褒めてるんだよね?」(笑)
彼はプッと噴き出して「うん、うん」とうなずいた。

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まあ・・褒められることもしてないのだが。
そんな私のちょっと褒められた話を。
いつもながらの長文です。(-_-;)
あれはいつだったのだろう?
コロナ騒動が起きる前はガス会社の担当者のお兄ちゃんには、仕事の帰りなどに、ひょいと訪れてくれることがあった。
コーヒーを飲みながら、雑談をする。
1月の末ごろだっただろうか?
彼が昨年父親を亡くした話をした。
72歳だったと。
4年前に見つかった時はすでに末期の食道がんだったそうだ。
亡くなる前の半年間、自宅で過ごすか病院で過ごすかという判断は、父親が望んだので自宅でということになった。
いよいよ最後というときになって、母親、姉、彼と一人ずつ個別に父親と話すことになった。
母親とお姉さんとは長く話していたそうだが、彼の番になった時に、お父さんは「お前には何もいうことはない。お母さんとお姉さんを助けてやってくれ」と言ったそうだ。
そして、お父さんが亡くなってから2か月後、母親の母、つまり彼にとっての祖母が、ご飯を食べている時にすーとそのまま亡くなったそうだ。
92才だった。
父親と祖母はすごく仲が良かったから、お父さんが呼んだんだねと周りは言っていたと。
短い期間に夫と実母を亡くした母親が一人になってしまった。
だから、自分が会社を辞めて、実家に帰ってこようか?と言ったそうだ。
お母さんは、50歳の時に自分のやりたいことを見つけて、その勉強をして今では人に教えられるまでになった。
だから、生徒さんもいるし、近くに彼の姉一家もいるから、寂しくないからと帰ってこなくていいと言ったそうだ。
そういう話を私は、相槌だけうちながら黙って聞いていた。
ぜんぶ聞いてから私は言った。
「君は素晴らしいご両親に育てられたね。
お父さんが君に何も言うことがないといいながら、お母さんとお姉さんのことを託したんだよ。
それがお父さんの息子に言いたかった言葉の全てで最大のものだよ。
お母さんも素敵な人だわ。
だいたい、人は夢を持っても、その夢が叶う人は少ない。
その夢を実現させたのだから、素晴らしいよ。
これが寂しいから帰ってきて~と、泣いて息子にすがり付くような母親でも困ってしまうだろうよ。
そうではなくて、ちゃんと自立している。
素敵なご夫婦だよ。
そういう素敵なご両親に育てられたことを感謝しなさいよ。
おばあさんは、寿命だね。
だいたい、ご飯を食べている時にすーと心臓が止まるなんて、まさにピンピンコロリ。
誰もが望む亡くなり方だよ。
理想の形。
そして、それは、お父さんが呼んだのではなくて、お父さんが見守ったのだね。
これから、歩けなくなったり認知症になったり、年を取ることにつきもののことを省いて、すーと亡くなるなんて、私からすれば羨ましくってしょうがない。
仲が良かった娘婿の死はショックだったとしても、誰にも迷惑かけず天寿を全うしたんだと私は思うけどね。
おばあさんまで素敵な人だねえ」
そういうことを私が言って、彼も口を挟まず黙って聞いていた。
そして、彼が言った。
「ソフィアの母さんは聞き上手ですね・・・」
「ええ!!そんなことないよ!
だって私、人の話を無理やり聞き出そうとしない人だよ。」
「いや、だからですよ。
自分は両親のことを誰にも話したことないですよ。
会社の人にもお客さんにも、だから、ソフィアの母さんに話しているので、ああ・・聞き上手なんだなと思ったのです。」
そう言われて・・・ふ・・・ん。
まともにそう言われたことがないから、ちょっと驚いてしまった。
意識したこともないし。
だから、私は言った。
「それってさあ・・・褒めてるんだよね?」(笑)
彼はプッと噴き出して「うん、うん」とうなずいた。

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Last Modified : 2020-04-19