時を束ねて　リボンをかけて

散歩をしている時に近所の女性に会った。
彼女は2年ほど前だろうか・・・やはり一人で引っ越してきた人で、親しく話したことはないけれどなかなかおしゃれで、おそらく同年代の感じのいい年配の女性である。
ペット用のカートを押していたので、挨拶した後、「ワンコ用のベビーカーですか？」と聞いた。
犬猫用のカートということで、初めて見るが可愛い仕様の商品だ。
2段になっていて、下の段に荷物が置けるようになっている。


もう年で歩かなくなっているので・・・と言った。
年齢を聞くと13歳だという。
ギョロっとした目が可愛いパグである。


小型犬の寿命がどのくらいなのかよくわからないのだが、平均は15歳くらいなのだろうか？
今年の夏は家外自由の猫も飼っていて、一人と2匹で散歩しているのを見かけたことがあった。
あの犬が、もう歩かなくなっているのか・・・。
犬も猫もあっというまに、飼い主の年を越えてしまう。


「寂しくなるのは嫌だわ」とその人がボソッと言った。
その言葉に一瞬胸が詰まって、うなずくことしかできなかった。


こういう時に上手に言葉が出てこないのが私の残念なところだ。
キッとなった時やジョーク返しはできるのに、胸がいっぱいになってしまって、返せなかった。
すらすらと気の利いた言葉を返せれば、励ますこともできるのだろうが、私にその能力が備わっていない。
私も何匹も見送っているし、まだ老猫3匹もいるから、よけい何も言えなくなる。
心は痛いほどわかっていても。


何気ない会話を交わしたように別れたが、2日ほど前にミケが歩いている時にガクッと一度ふらついたので、明日は我が身だと思わずにはいられない。



ゴンの寝姿を見ていると、猫というよりワンコに見えるときがある。




ミケはいつも猫らしくニャンモナイトになるのに。





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