時を束ねて リボンをかけて

2021-10-16 (Sat) 23:47

何でも一人遊びになる。

殺虫剤の冷却スプレーを試してみたくて、庭でダンゴムシにかけてみた。
すると!!
ワオ
・・風圧で飛んだ。
えっ!!
どこに行った?
小さすぎで、凍ったのかどうかも確かめられず、もしかして役にたたない?
何度も試したが、ダンゴムシでは効果がよくわからない。
大きな虫でなければ、確かめられないと悟り、今度は裏庭に蜘蛛の巣があったから、蜘蛛にかけてみた。
すると、交わされてするすると逃げられた。

う・・・ん。
これは、虫を選ぶ殺虫剤だ。
選ばれた虫は殺虫剤の缶に「イヤな虫」と書かれて、ムカデも蜘蛛もダンゴムシも入っているのに、ダンゴムシも蜘蛛も失敗するとはどういうことか。
シュッ!と吹きかけたときの風圧が思いのほか強くて、こんなものにも慣れと技術がいるのかと、面食らってしまった。
いろいろ試しているうちに缶の中身がなくなったら困るので、途中で止めた。


そうやって庭で一人遊びをしていたら、近所の奥さんが通りかかり、立ち話をした。
この人は、子供が小学生の時に、旦那さんが学校の活動で校庭の大きな木を剪定している時に、梯子から落ちて車椅子の生活になったことは前に聞いていた。
その小学生だった子供は今は結婚して彼女には孫もいる。
世の中にはいろいろな人がいるけれど、そのいろいろなことを決して愚痴として話さなかったから、つまり明るく吹っ切れたように話したから、私は楽な気持ちで聞いたのだった。

そこに、散歩をしていた真っ赤な口紅がやけに目立つ、初めて見る奥さんが通りかかった。
あら~しばらく~とその奥さん同士は知り合いだった。
元気だった~というように。
こんな遠くまで散歩しているの~と聞いていた。
その言葉で、ご近所さんではないのだと分かった。

そしてその奥さんは、私を見て、「この人は知らないわ」と言った。
私も知らないから、ご近所さんでない以上自己紹介はする必要はないと判断してその場から距離を置いた。

その奥さん同士の会話は、久しぶりに会ったわりには、あっさりとすぐに終わった。
そして、通り過ぎた後、あの人は夫の同級生なのよと言った。
そう言っただけで、あとは何もその人のことは話さなかったが、微妙なかすかな空気は感じ取った。

この小さな町の田舎特有の他人のことは筒抜けみたいな環境で、30代で夫が車いすの生活になったということは、おそらく想像すれば、他人から同情もされただろうし、その同情に傷ついたこともあったかもしれない。

私は部外者で、そういう付き合いを避けているから楽だけれど、彼女は明るくふるまうことが自分を支えることになると、分かっている人なのかもしれない。
そんなことを、ふと思ったのだ。


にほんブログ村 猫ブログ 猫と一人暮らしへ
にほんブログ村
 
にほんブログ村 ライフスタイルブログ ささやかな暮らしへ
にほんブログ村


シニアライフランキング

スポンサーリンク

Last Modified : 2021-10-16
[serene_resp3c] Designed by *Essence